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加藤一二三九段が棒銀を愛用する理由


仕事関係以外の本を久しぶりに買ったような気がします。


将棋名人血風録 角川oneテーマ21 加藤一二三


加藤一二三九段が書かれた 『将棋名人血風録』 です。私がまず心惹かれたのは帯の部分でした。

『将棋名人誕生400年記念』 → たしか大橋宗桂が江戸時代初期の人だった記憶があるので、それくらいにはなるのか・・・ なるほど。

『羽生善治氏大絶賛!!』 → たしかに羽生二冠の名前が帯に入るのは大きいです。なるほど。

『加藤先生の偉大さを再認識しました』 → あとがきに 『羽生善治二冠に素晴らしい推薦文を書いていただいたことを、心より感謝している』 とあったのですが・・・ 私の中では 『偉大さを再認識』 という部分が(どういう意味なんだろう?)と正直思いました。

個人的には 『加藤九段のあとがき~将棋名人誕生400年記念~羽生二冠のコメント』 というくだりが、思わずツボにはまってしまったのですが、私だけでしょうか(笑)


内容については、今年が将棋名人誕生400年記念ということで 『名人400年の歴史・歴代永世名人・名人戦の戦積』 について書かれています。

そして加藤九段が唯一、歴代名人11人(第1期木村義雄名人~第69期森内俊之名人)と対局したことがある、ということで、各名人に関する加藤九段の見解・加藤九段とのエピソードが述べられています。

加藤九段の御年齢(72歳)・実績(御自身も名人を含む、複数のタイトルを獲得しておられます)・天真爛漫で誠実な御人柄、全てが揃っていたからこそ、完成した本だと思います。

私も知らないエピソードも多かったので、興味深く読ませていただきました。まじめに書いておられるのか/ジョークなのか、判断しかねる部分も結構あったのですが(笑)楽しく読ませていただきました。


さまざまなエピソードについても楽しく読ませていただいたのですが、個人的には 『なぜ加藤九段が、対振り飛車で棒銀が優秀であると認識し、愛用されているのか』 ということを(自分なりに)理解できたことが収穫でした。

この加藤九段の棒銀へのこだわりについては、先崎学九段とのやりとりで有名なエピソードがあります。ネットに書かれていたものを抜粋します。

加藤一二三「なんで居飛車穴熊を指すの?」
先崎「堅いからです」
加藤一二三「棒銀は最も良い戦法です、どうして皆さんは棒銀を指さないのですか?」
先崎「振り飛車に急戦は勝率が悪いからです」
加藤一二三「それは、棒銀以外の急戦だからでしょう?どうして棒銀を指されないのですか?」
先崎「・・・・・・」

私も棒銀は大好きだったのですが個人的には、四間飛車側の△4二金型の対策が出てきてから指す気が失せました。


棒銀対四間飛車


『将棋名人血風録』 を読んだ限りでは、加藤九段が 『みんな勝てなかった大山振り飛車に、なぜ中原誠さんだけは勝てたのか』 ということを分析したのが、棒銀に着目した理由のように感じました。

・ 中原さんは、大山さんと指すときは、わかりやすくいえば、棒銀系の速攻をもちいた。速攻、速攻で早い段階から敵陣を突破していた ・・・ 作戦で大山さんを上回っていたのである。中原さんだけが勝ち越せた理由、逆にいえば、ほとんどの棋士が大山さんに勝てなかった理由は、棒銀を研究しなかったからだ

・ では、どうして(二上さんが)大山さんに勝てなかったのかといえば、やはり棒銀を主力にしなかったことに最大の理由があると思う ・・・ 二上さんに弱点があるとすれば、それしか私には思い当たらないのである

・ (第30期名人戦・大山-升田戦において、升田幸三実力制第4代名人が石田流にこだわったことについて)もし升田さんが石田流にこだわらず、居飛車で棒銀に出ていれば、少なくとももっと接戦になったはずだ

・ (あとがきより)タイトル戦で激突した多くの棋士が大山さんに勝てなかったのは、いま思うと大山流の振り飛車に対して、棒銀を指さなかったからである。 振り飛車は、そびえる岩ではなく、棒銀を巧妙に指せば右辺からだけの攻めで十分に戦えたのだ。 私も棒銀を徹底しなかった。いまの知識があれば、健闘できたはずである。 長年、棒銀を指し続けてきたが、進歩が全くないわけではない。 他の棋士も実力者だったのだから、作戦を棒銀にしぼって研究すれば、速攻で大山さんを大いに苦しめたはずだ ・・・ 羽生さんは、数少ない対大山戦を、棒銀で快勝している。途中で気付いたが、大山さんは棒銀を受ける術を完全に知り尽くしていたのではなかった


プロであれば、中・終盤の力に遜色はないはず → 差がつくのは、序盤の作戦選択である → 大山さんの振り飛車は序盤がうまかった。だから圧倒的な実績を残せた → 中原さんは、振り飛車対策として見落とされていた、優秀な棒銀を多用した。だから中原さんだけは大山さんとの対戦成績が良かった → タイトル獲得80期の羽生さんも棒銀に関することを本に書いている。そして棒銀を用いて大山さんに快勝している → よって、棒銀は優秀である


上記が、加藤九段の考え方の根底にあるように感じました。


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