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第60期王座戦第2局 ▲渡辺王座-△羽生二冠

今週の水曜日、第60期王座戦五番勝負の第2局が行なわれました。当代随一のカードといっても過言ではない、渡辺-羽生戦です。将棋は、羽生二冠の「角交換四間飛車」でスタートしました。

直前まで行なわれていた第53期王位戦七番勝負において、羽生二冠は、藤井九段の角交換振り飛車と数多く戦われましたので、その影響もあったのかもしれません。

以下の文章は独断と偏見に偏り、見当違いも甚だしい所が多いかと思いますが、自分が思ったことを素直に書いてみようと思います。


2012.09.05第60期王座戦第2局▲渡辺△羽生-1


図の41手目▲9九玉は、渡辺王座が総矢倉の構えから更に玉を固くしようと、穴熊に向かっているところです。羽生二冠は「現在の理想形を崩したくない~後手番なので千日手もやむをえない」といったところでしょうか?△9二玉⇔△8二玉の手待ちを繰り返します。

「角交換型の振り飛車」は、もともと手詰まりになりやすい戦型です。そのため後手番で千日手を含みにして、というのはたしかに考えられます。ただ羽生二冠は、積極的な棋風で知られている棋士です。 

本譜の順は ①最初からの作戦 ②穴熊への組み換えには対策を考えていたが、途中で誤算に気づいた といった理由が考えられると思います。個人的には②の理由ではないかと感じました。積極的とは言っても後手番ゆえの限界はありますが、それでも羽生二冠が、最初から千日手狙いで作戦を考えておられる可能性は少ないと思います。

また、このような指し方は、上手く千日手に持ち込めれば良いものの、相手に打開され上手く負かされた際は、精神的にキツイように思います。そのため相当の覚悟が要る指し方でもあると感じました。 

対する渡辺王座は、穴熊を完成させ/右桂の活用にも成功し、着々と有効手を積み重ねていきました。


第60期王座戦第2局▲渡辺△羽生-2


図の67手目▲4五歩は、渡辺王座が戦機を捉え、羽生二冠が自陣角を打って対応している場面です。この局面は渡辺王座側が 

① 玉を金銀四枚の穴熊に囲うことができた(⇔三枚の銀冠)
 
② 角が手持ち(⇔既に角を手放している)
 
③ 飛車側の桂馬を活用できている(⇔後手の桂馬は2一の地点のまま) 

ということで、既に形勢に差がついているように思いました。

後手が3筋にいる角や銀を利用して、先手の攻めを押さえ込むことができれば良いのですが、パッと見たところでは、先手の攻めを封じ込むのが難しいと思いました。 

もし盤の右半分が互角であれば、先手の「玉の固さ/角が手持ちで自由に使える」メリットだけが残ります。そこで羽生二冠が、少しでも先手玉を弱体化させ好き放題はさせないぞ、ということで端攻めを決行されたように思います。


第60期王座戦第2局▲渡辺△羽生-3


以下、端攻めに対する渡辺王座の対応は、丁寧さを心掛けておられるように感じました(形勢は先手良し。後手は、飛角銀が十分に働いていない状態なので、腰が入っていない無理攻め。よって正確に対応すれば、形勢の差はもっと広がるはず)そのような考えに基づいておられるように感じました。


第60期王座戦第2局▲渡辺△羽生-4


プロの最高峰の将棋であり、一素人にわかるべくもありません。当日は将棋連盟モバイルで観戦していたのですが、解説でも、いつの間にか形勢が入れ替わっていた、という雰囲気でした。

羽生二冠が『端攻めの合間に銀を4四に活用し/自陣の4三角も相手玉の急所に利いてきた/飛車の横効きも受けに効いている』ということで前半戦では懸念されていた、飛角銀の働きが、ほぐれてきたような印象です。

感想戦の記載を読んでいて「途中で渡辺王座が明確に良くなる順があったこと/渡辺王座が決して形勢が良いとは思っていなかったこと」を知りましたが、リアルタイムで観戦している時は、きつねに包まれたような心境でした。

序盤から辛抱を重ねておられた羽生二冠が、116手目の△3六歩から、歩成りを甘受し飛車成りも無視して、逆襲に転じました。本局において初めて「これは、いける!」という確信に基づいた攻撃ではなかったでしょうか(端攻めについては、無傷の穴熊で好き放題されないようにするため/勝負所を失わないようにするための、やむを得ない順だったように思います) 


第60期王座戦第2局▲渡辺△羽生-5


最後に1手間違えばトン死、という見せ場を渡辺王座が作られましたが、正確に指された羽生二冠が144手で勝利を収めました。


第60期王座戦第2局▲渡辺△羽生-6


一局を通じて

・ 渡辺王座に対する絶大な信用

・ 本局は、玉を金銀四枚で囲い、飛角桂で先行して切れない攻めを続けることができる、現代将棋の理想パターンであったこと

この2つがプロの先生方の形勢判断をも若干曇らせたのではないか?将棋連盟モバイルの解説を読んでいて思いました。


個人的に本局を観戦してふと思ったことがあります (そういえば、羽生二冠が玉を右に囲った将棋は、羽生二冠の長所が発揮され、なおかつ結果も残されているのではないか?) ということでした。


2008.10.18第21期竜王戦第1局▲渡辺△羽生

( 2008.10.18 第21期竜王戦第一局 ▲渡辺竜王-△羽生名人 )


パリで行なわれた第21期竜王戦第一局。渡辺竜王が「穴熊囲い+駒得で竜ができた」にもかかわらず、実際の形勢は羽生名人が良かった、ということで、羽生名人の大局観が絶賛された将棋です。


2011.09.06第70期A級順位戦3回戦▲渡辺△羽生-1

( 2011.09.06 第70期A級順位戦3回戦 ▲渡辺竜王ー△羽生二冠 )


難しいことはわかりませんが、最後の方の盤面は、羽生二冠の駒ばかりになっていた印象です。


2011.09.06第70期A級順位戦3回戦▲渡辺△羽生-2


渡辺竜王と羽生二冠の対局を観戦していて感じることは

・ 羽生二冠は、持ち時間が短い棋戦において結果を残している

・ 長い持ち時間の激しい攻め合いの終盤戦では、渡辺竜王がキッチリ1手残すことが多い

・ 羽生二冠の将棋は、どんなに激しい場面でも「遊び」というか「余裕・柔らかさ」を感じることが多い。しかし、渡辺竜王との戦いでは「遊び」の部分を感じることが少ない

ということでした。

羽生二冠の激しい闘争心が剥き出しになっている、という印象です。対渡辺竜王戦の羽生二冠は、明らかに通常の対局とは違う印象を受けます。

「玉を右に囲った将棋」は、自らが主導権を握りにいった戦いではない印象を受けましたが、逆にそういったケースで羽生二冠の長所が出ておられるのではないか?と思いました。


個人的には、渡辺竜王の「徹底した合理性/正確無比な読み」と羽生二冠の「柔らかさ」のぶつかり合いの将棋を観戦することが、大きな楽しみの1つです。




 
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